第三章 体育祭

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「それでは出場者の皆さんは入場してください!」 運営委員がそう叫び、前の方からぞろぞろと移動し始めた。 「ねぇどうするのゼクセル君?」 「もうこのまま行くしかないさ、特訓の成果を見せてやろう」 「うん…」 そう言って、俺達も移動する列に付いていき、再びグラウンドに戻ってきた。 「ゼクセルくぅぅぅぅん!!頑張れぇぇぇぇ!!」 リンがそう叫んできたので手を振ってやった。 「…僕は?」 「レン君頑張ってねー!」 レンがルクにそう応援されたのでテンションが上がったのかガッツポーズをとった。 ちなみに部活対抗リレーは高等部と中等部が使っているトラックで走るので、半周で百メートルある。 正直かなり広い。 一周で二百メートルなのでバトンを渡すときの都合上、俺とレンは同じスタート地点で走る事になる。 「よーい…」 銃声が鳴り響き文化部の連中が走り始めた。 「「「うおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!」」」 走り出した瞬間このグラウンドにいるほとんどの生徒が声を張り上げて応援を始めた。 「勝てよ!吹奏楽部!お前らのとこにしかD組の奴いないんだ!」 「負けんなアニメ研究部!!オタクの力を今見せ付けろおぉぉ!!」 さまざまな応援が飛び交っている。 自分の組の場所を見るとルクやリンも必死に応援している。 「さすが一大イベントだな…」 「ゼクセル君…僕頑張るよ、君が与えてくれたチャンスを絶対に無駄にしない」 「どうした突然?」 「ううん、もし君がいなかったら今の僕はいなかったなって思ってさ」 「「「おぉぉぉぉぉぉ!!」」」 大きな歓声が響き、どうやら文化系の一回目のリレーが終ったようだ。 「一位、アニメ研究部、68秒」 どうやらゴールしたときにタイムが言い渡されるようだ。 観客席や応援席の方ではアニメ研究部を誉め称える声が飛び交っている。
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