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『で、あなた、その子は何?』
『森で拾ってきた』
誰だ?
『拾っておいてなんだが目つき悪いガキだなおい』
『どうするのよ』
『いくあてないんだったらこの家においてやるんだよ』
『ふぅ、あんたどこまでお人よしなのよ』
『いいじゃねぇか、もしお前が逆の立場だったときを考えてみろ!』
思い出した…、俺を育ててくれたおじいさんとおばあさんだ。
『しかしこんな山奥に子供捨てるなんて一体どんな親なんだ』
『考えられないわね』
『こっから一番近い村までざっと百キロはあるぞ』
『まぁいいわ、お腹すいたでしょ?今暖かいもの作ってあげるから』
捨てられた俺を拾ってくれたおじさんとおばさん。
でも俺はやっぱり捨てられた人間だったんだな…。
『そういやお前名前は?…ないのか』
?
名前が…ない?
『ひどい親だな…、名前すらも与えないとは…』
『でもやっぱり呼ぶときは名前ないと困るわね』
『そうだな…ん?お前なんか後ろの左肩にZEXCELL…ゼクセルって書かれているぞ』
『本当ね、それがこの子の名前じゃない?』
俺の左肩に?
確認した事なかった。
『ん?あぁこれか、地図だよ、この世界メギラウドの』
『この世界の名称もわからないの?』
…?
俺の前いた世界の名前は…メリエルだったはずだが…。
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