第三章 体育祭

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『お前は人じゃない』 なんだ? 『だが我々魔族でもない』 誰だ? 『じゃあ何か?』 いやお前が何だ? 『お前は造られし物だ』 あぁ、魔王か。 『その力…、やはりこの世のものではない』 という事は…、これは夢だな。 『お前はいずれ…お前が救った者達から迫害を受けるだろう』 あぁ、お前の予想通り受けたよ。 『確かお前には母親や父親…つまり姓が無いと言っていたな』 あぁいないよ。 『それがお前なのだ』 意味がわからない。 『姓がない者とは、つまり一人や一匹などのように生き物として呼ばない』 そういえばこんな事も言っていたな…死ぬ間際に。 『一つや一個などのように物として扱われる』 結局意味がわからなかったよな。 『なぜお前が名前ははっきり覚えていたのに姓は覚えていなかったのか…つまりそれは最初からなかったから』 …それってどういう事なんだ? 『ふふふ…人でない者よ…私が死んだ後、お前は真の苦しみを味わう事になるだろう…』 気になる事ははっきり言えよ…馬鹿野郎。 『ゼクセル…今日は体育…よ…』 なんだこの魔王?いきなり体育とか言い出して。 『ゼクセル…早く…起きない…体育祭』 なんで魔王が体育祭の事を知っている? 「ちゃっちゃと起きなさい!!体育祭遅刻するわよ!!」 え?
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