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「よーし、みんな集まって」
そう委員長が言うと、クラスは円陣を組んで委員長を囲んだ。
「いよいよ今日よ、ゼクセル君が勝手に勝負を挑んだ事だけど、負けたら一年間F組のお手伝いをしなければならないわ」
本当に勝手に動いてごめんなさい。
「でもだからと言って負けるつもりもないわ、今日は体育祭、魔法を使う競技は部活対抗リレー以外ない」
つまり俺達にも勝機がある。
「ほとんど対等のはずよ、エリートの連中の鼻を明かしてやりましょう!」
そう言って委員長も円陣に加わった。
「ゼクセル君お願い」
「え、俺?」
「あなたが挑んだ勝負でしょ?あなたがリーダーよ」
「…」
確かに俺が挑んだ勝負だが…。
「これは俺が勝手に挑んだ勝負だ、でもこれは俺だけの問題じゃない」
クラスの連中は黙って俺を見つめて話しを聞いている。
「今までのエリートが一般より優れているという決めつけを覆すものだ」
リンとレンも真剣な眼差しで話しを聞いている。
「だからこれは俺だけじゃなくクラス全体で挑んで欲しかったんだ」
そう、これは俺の問題じゃない、この学校のエリートに立ち向かう勇気をクラス…いや学校全体で感じて欲しかったから。
「だから俺達は負けられない…絶対に勝つぞ!!」
「「おおおおぉぉぉぉぉ!!」」
クラスにいる全員がそう叫んだ。
そして俺達の体育祭が今、幕を開けた。
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