第三章 体育祭

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それから三十分が経過し、俺達は小、中、高、合同運動場に移動する。 三校生徒全員が楽に入るほどの大きさ設計なので、広さはとてつもなく広い。 小等部の子供達、中等部の学生達、そして高等部の学生達が組毎にわかれて入り混じっている。 俺達C組のエリアにも、小等部と中等部の連中がちゃんといる。 「よう一年、いよいよだな、エリートの連中をあっと言わせてやろうぜ!」 上級生の先輩も気さくに話しかけてくれる。 まだ始まってないからか、回りの生徒達は楽しそうにざわついている。 空中には花火のようなものが小さな爆発音を鳴らし、煙をあげて消えていく。 既に来賓者や保護者の方々もちらほらと来ているようだ。 小、中、高…全部合わせても凄い数の保護者が来ることになる。 「あ、私のママもう来てるー」 「僕もー」 小等部の子は親が来てくれて嬉しいのかはしゃいでいる。 「小さな子供ってかわいいねゼクセル君」 「あぁ」 リンが小等部の子の頭を撫でながらそう言った。 「私達も将来かわいい子供作ろうね」 「アホか」 「冗談だよぉー」 俺に家族の幸せなんていらない、俺のような目にあうかも知れないというのに…子供なんて作れるはずがない。 まぁまだ俺自身が子供だが。 「リンちゃんって以外と凄い事簡単に言うんだね…」 レンが真に受けて非常に驚いていた。 「ゼクセル、準備はできた?」 「ルク、どこに行ってたんだ?」 「委員会って聞かなかった?」 ルクの腕を見ると運営委員会と書かれた襷がぶらさがっていた。 「あ、ルクちゃんおはよう!」 「リンちゃん、おはよう」 「はい、C組の黄色帯だよ」 リンがどこから出したのか黄色の帯をルクに渡した。 「ありがとう」 「えー、生徒のみなさんは中央に組事に集まってください」 その放送が流れると、一斉にぞろぞろと生徒が移動し始めた。 「始まるみたいだね」 「そうね」 「なぁ…あのでっかいテレビなんだ?」 運動場の背後に大きいモニターのようなものが置いてある。 「あぁモニターの事?あれは走ってる選手の映像を流したりするのに使う物よ」 「毎年設置されてるよ」 今更ながらこの体育祭凄く金が掛かっている。
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