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それから三十分が経過し、俺達は小、中、高、合同運動場に移動する。
三校生徒全員が楽に入るほどの大きさ設計なので、広さはとてつもなく広い。
小等部の子供達、中等部の学生達、そして高等部の学生達が組毎にわかれて入り混じっている。
俺達C組のエリアにも、小等部と中等部の連中がちゃんといる。
「よう一年、いよいよだな、エリートの連中をあっと言わせてやろうぜ!」
上級生の先輩も気さくに話しかけてくれる。
まだ始まってないからか、回りの生徒達は楽しそうにざわついている。
空中には花火のようなものが小さな爆発音を鳴らし、煙をあげて消えていく。
既に来賓者や保護者の方々もちらほらと来ているようだ。
小、中、高…全部合わせても凄い数の保護者が来ることになる。
「あ、私のママもう来てるー」
「僕もー」
小等部の子は親が来てくれて嬉しいのかはしゃいでいる。
「小さな子供ってかわいいねゼクセル君」
「あぁ」
リンが小等部の子の頭を撫でながらそう言った。
「私達も将来かわいい子供作ろうね」
「アホか」
「冗談だよぉー」
俺に家族の幸せなんていらない、俺のような目にあうかも知れないというのに…子供なんて作れるはずがない。
まぁまだ俺自身が子供だが。
「リンちゃんって以外と凄い事簡単に言うんだね…」
レンが真に受けて非常に驚いていた。
「ゼクセル、準備はできた?」
「ルク、どこに行ってたんだ?」
「委員会って聞かなかった?」
ルクの腕を見ると運営委員会と書かれた襷がぶらさがっていた。
「あ、ルクちゃんおはよう!」
「リンちゃん、おはよう」
「はい、C組の黄色帯だよ」
リンがどこから出したのか黄色の帯をルクに渡した。
「ありがとう」
「えー、生徒のみなさんは中央に組事に集まってください」
その放送が流れると、一斉にぞろぞろと生徒が移動し始めた。
「始まるみたいだね」
「そうね」
「なぁ…あのでっかいテレビなんだ?」
運動場の背後に大きいモニターのようなものが置いてある。
「あぁモニターの事?あれは走ってる選手の映像を流したりするのに使う物よ」
「毎年設置されてるよ」
今更ながらこの体育祭凄く金が掛かっている。
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