第三章 体育祭

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全校生徒が定位置に着き、開会式が始まった。 「校歌斉唱」 まったくわからない…、とりあえず口パクで誤魔化した。 「次に校長先生からのお話しがあります」 きた…、昨日ルクに聞いていた体育祭最初で最大の関門、伝説の校長スピーチが。 これによって下半身の耐久力が大幅に減少するらしい。 「えー、そーであるからして…学生の本分という物は…」 校長のスピーチが始ってかれこれ五分、まだスピーチは終わらない。 小等部の連中はぐったりとした表情になってきた。 「そーであるからして、学生の本分という物は…」 おいおい…、それさっき言っただろう。 かれこれもう十分は経つ。 「では校長先生ありがとうございました」 時間が押していたためか、他の教職員が強制的に終了させた。 「それでは最後に理事長からの挨拶です」 そう呼ばれ、理事長はゆっくりと教台に上がった。 「みなさんおはようございます、私から言うことは特にありません、年に一度の魔法を使わない大会をぜひ楽しんでください」 それだけ言うと理事長は教台から降りた。 さすがルクのおばあちゃんだけあって、言いたいことはしっかりとまとめてある。 「それは第一種目の準備運動を始めます」 そして準備運動が終わり、第二種目である百メートル走の準備がとり行われた。 「ゼクセル君、それじゃあ私とルクちゃんは行ってくるから応援よろしくね」 「リンも出場するのか?」 「うんそうだよ、じゃあ行ってくるね」 「応援してねゼクセル」 ルクとリンはそう言って運動場外にある出場者控え場所まで移動した。 運動場内で人を集めると、準備の人と入り混じって混雑するようで外で招集をかけるらしい。 今運動場では運営委員の人たちが準備を行っている。
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