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俺はそう言いながら首を横に振った。
「……まぁ仕方ないか。ともかくここまででいい。ありがとう」
懐から小銭を取り出し、行商人に渡す。
行商人はいそいそと受け取った。
さて、寝ぼすけ姫を起こすか。
「フィリォ! いこう」
俺は行商人の馬車へとむかって、声を荒上げた。
その声に反応してか、馬車の上でむくりと起き上がる人影。
背筋を伸ばし、両手を天に向けながら欠伸をする人影はフィリォだ。
フィリォはセミロングで整えられた輝くようなブロンドの髪にブルーの瞳を持つ貴族のようななりをした大変可愛らしい少女である。
フィリォの着ている質素な白のワンピースが彼女の魅力を上げているのは否定出来ない。
他では滅多に見られない美少女なフィリォの肌は白く、年は俺と同い年の17歳ぐらいだ。
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