無法地帯

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「……カルマ? 着いたの?」 フィリォは欠伸によって出た目尻の涙を腕で拭いながら俺に聞く。 「いや、ちょっと歩く」 俺の言葉に頬を膨らませるフィリォ。 不覚にも可愛いと思ってしまった。 俺の理性が弱かったら恋に落ちていたところだ。 フィリォは馬車から飛び降りると地面によろけながら着地した。 それを確認すると、俺は馬車の中に置いておいたボストンバックと一つ包帯のような薄汚れた布で巻かれている西洋剣を掴み取った。 「じゃあここまでどうも」 「本気で行くつもりなんかぁ?」 「ああ」 行商人の言葉に躊躇いもなく頷いた。 俺の真摯な言葉に行商人は少しばかり考え込んでいるようだ。 「……まぁ他人はどぉーもこーもできないからなぁ、十分に気をつけんだぞぉ」
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