無法地帯

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俺とフィリォを残し、行商人が操る馬車は、遠くに走っていった。 「……さて、行くか」 何を思うでもなくしばらく行商人の背中を見ていた俺は隣にいるフィリォに声をかける。 「うん。……けれどカルマ。 どのくらい歩くの?」 頷きながらも聞くフィリォ。 「ここから見えてるぞ」 俺はとある方向を指差す。 フィリォは吊られてそちらを見る。 俺が指した方向には、遠くてよく見えないが建物がちらほとある町のような集落があった。 「歩いて2時間ってとこかな?」 我ながら的確な分析。 「……歩くの辛いなぁ。飛んだらどんなに楽か」 「駄目だぞ?」 俺はフィリォをじーっと睨む。 「分かってるよ」 やや不機嫌そうな声を出しながら町の方へと歩いて行くフィリォ。 そんなフィリォの背中はとこか微笑ましく、俺は自然と笑みをこぼしていた。 そして俺はボストンバックを肩に背負い直し、剣を腰に差して、フィリォの後を歩き始めたのだった。
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