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終わった
中学最後の夏が終わった
「あばよ、長太郎!」
「はいっありがとうございます宍戸さん!」
そんな会話を後輩としたのは20分も前のこと。
流した汗を静める為クールダウンし、水道で顔を洗う。
気分は悪くない。
だけど清々しいわけでもない。
複雑な気持ちを抱えながら、宍戸は水道を後にして荷物をまとめるべく部屋へと戻った。
「荷物ったってたいして持ってきてねーからな」
誰か聞いてるわけでもないのに、一人部屋への道を歩きながらそう呟く。
そしてたどりついた部屋のドアを、なんのためらいもなく開けた。
すると……
「やっほー宍戸♪」
「ぅわあっ!!?」
開けた瞬間聞こえた声。
それに驚いた宍戸。
宍戸を驚かせた声の主は、クスクスと笑っていた。
「ナイスリアクション!」
「アホか!つーかなんでいるんだよ、姫!」
そう。宍戸を驚かせた声の主は、本来この合宿にいないはずの彼女…姫。
その姫がなぜかベッドの上にちょこんと座って笑うのだから、驚くのも当然だ。
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