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旅の終わり
空は、血のような赤と、闇色の雲が覆っている。湿り気を含んだ空気は生温く、じっとりと重い。死者の嘆きにも聞こえる風はねっとりと肌に絡みつき、酷く不快だ。
大地は瘴気に腐っている様にぬかるみ、歩く度に草や木の根、板切れや金属片などが絡まり、足を取られる。
小高い丘の上に、まるで一つの山とも思える程に巨大な城がある。朽ちた大地と違い、その城は建てられたばかりの様に美しい。
四人の戦士はようやく目的地に到着した。
ここは『魔王城』
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