書斎

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 大きな観音開きの扉を開け、イリアが書斎に入る。  先頭のアロンダイトは大量の本に圧倒され、絶句して立ち止まった。その彼の背中に顔をぶつけ、少し赤くなった鼻を摩りながら、テレスは書斎を見る。   「わぁ……。こんな沢山の本、見た事ないです……」    本が好きな彼女は目を輝かせて呟く。  ハスターはその言葉に反応し、硬直するアロンダイトの後ろか中を見る。   「これは……素晴らしい……」    古い本の匂いに目を輝かせ、呟いてアロンダイトを押し退けて中に入って行く。テレスもハスターに着いて行き、中で待っていたイリアは喜ぶ二人を笑顔で迎え入れる。   「なんだいこりゃあ!?」    最後尾のダイアは驚きに叫ぶ。本の多さもさることながら、部屋の大きさも驚きである。   「こんなに本があるところなんか見た事ないよ!」    驚きしかないダイアに、アロンダイトは頷いて続ける。   「世界中の本がここにあるみたいだ」    ダイアと同じくアロンダイトも、天井を探す様に見上げた。  一般的な民家なら、何件この書斎に入るのだろうか? と、そんな考えが頭を過ぎった。だが、すぐに民家程度ではなく、小さな城として名の上がる、フィン城ならば二つくらい入りそうだと思った。
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