105人が本棚に入れています
本棚に追加
/79ページ
大きな観音開きの扉を開け、イリアが書斎に入る。
先頭のアロンダイトは大量の本に圧倒され、絶句して立ち止まった。その彼の背中に顔をぶつけ、少し赤くなった鼻を摩りながら、テレスは書斎を見る。
「わぁ……。こんな沢山の本、見た事ないです……」
本が好きな彼女は目を輝かせて呟く。
ハスターはその言葉に反応し、硬直するアロンダイトの後ろか中を見る。
「これは……素晴らしい……」
古い本の匂いに目を輝かせ、呟いてアロンダイトを押し退けて中に入って行く。テレスもハスターに着いて行き、中で待っていたイリアは喜ぶ二人を笑顔で迎え入れる。
「なんだいこりゃあ!?」
最後尾のダイアは驚きに叫ぶ。本の多さもさることながら、部屋の大きさも驚きである。
「こんなに本があるところなんか見た事ないよ!」
驚きしかないダイアに、アロンダイトは頷いて続ける。
「世界中の本がここにあるみたいだ」
ダイアと同じくアロンダイトも、天井を探す様に見上げた。
一般的な民家なら、何件この書斎に入るのだろうか? と、そんな考えが頭を過ぎった。だが、すぐに民家程度ではなく、小さな城として名の上がる、フィン城ならば二つくらい入りそうだと思った。
最初のコメントを投稿しよう!