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その頃から、お父さんは壊れていった。
毎日、毎日お酒を飲んでは、お母さんに怒鳴り散らす。
もう、私の事を『紅奈』とは呼ばない。
大きな手で『紅奈は自慢の娘だ』と言っていた頃が懐かしい。
今は、『あいつ』とか『お前』と呼ぶ。
だから、認めて欲しかったんだ。
県最難関の高校に魅力を感じなかったし行きたくもなかったけど、お父さんがお母さんを怒鳴り散らさなくなるのならって、もとに戻れるのならと一生懸命勉強した。
お父さんもそれを望んでいたみたいだし。
お母さんもそれを望んでいたみたい。
でも、結局は学力不足。
前期試験では、入れなかった。
お父さんもお母さんも後期試験で入れって言ったけど、中学受験がフラッシュバックし、レベルを落として今の高校に入学した。
そこからが地獄。
何で、勝手にレベル落としたと殴られ、蔑まれ、泣かれ……。
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