泡沫の詩

驟雨

合格し、入学したものの、家は荒れていった。

毎日のように皿は割れ、毎晩怒鳴り声が近所に響く。

学校に行く時、ご近所さんにヒソヒソとされるのも、当たり前になった。

高校に行きだしてから暴言が暴力に変わっていった。

だけど、顔や手のひらは狙わない。

一発でバレるからだ。

その代わり、腹、背中、二の腕、太ももを集中的に狙う。

最初は泣いた。

痛かったから。

でも、ここ二・三ヶ月泣いていない。

泣いたって誰も助けてくれない。

涙を浮かべれば殴られる。

怒りの目で見れば殴られる。

そう、感情は悉く抹消しなければならない。

自分の身を守る為に。

最近は、殴られる痛みも鈍くなった気がする。