261人が本棚に入れています
本棚に追加
お父さんは私の叫び声で眉間に皺を寄せるが、今日は満足したらしい。
「たくっ……これだから『こいつ』は、やなんだよ」
酒瓶を持ってミシミシと階段を下りていく。
まだこれから酒を飲んで、お母さんを怒鳴るんだろうな……。
自分で足の裏を見る。
疣を液体窒素で焼いたような痕。
また、下で怒鳴り声がする……。
ベッドによじ登り横になる。
とりあえず、肋骨は折れてなさそうだ。
押すと若干痛いが、耐えられない痛みではない。
踏まれた二の腕は痣が出来ただけ。
今日はラッキーだ。
お父さんの気が変わらない内に寝てしまおう。
足の裏がジンジンするが、冷やす為に階段下りたくはない。
寝れば治る。
そう言い聞かせ、毛布にうずくまった。
最初のコメントを投稿しよう!