驟雨

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目が覚めたのは朝六時。 足の裏が痛い。 見ると水膨れになっている。 ぷくっと腫れて、靴下を履こうとするとズキズキと痛む。 殴られてもいいから冷やせばよかったと後悔する。 とりあえず、バンドエイドを貼り、痛くならないことを信じて、靴下を履き藍色のブレザーを着る。 カーテンを開けると驟雨。 一つ溜め息をつく。 憂鬱な気分の時に限って雨だ。 全く……嫌になってしまう。 立つだけでも痛いのに、この足で電車に乗れるか心配だ。 荷物を持ち、ゆっくりと階段を下りる。 顔を洗い、弁当作り。 自分一人分の弁当だけを作る。 お父さんもお母さんもまだ寝ている。 別に、お父さんが会社に遅刻しようがしまいが関係ない。
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