1章

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私の一番古い記憶は泣いている私。 理由は覚えてないけどいつも泣いていた気がする。 きっと両親に怒られていたんだと思う。 泣けばもっと怒られて、何度も殴られた。 私は次第に学習し、決して人の前では泣かなくなった。 いつも部屋で声を押し殺して泣いていた。 そんな日が続いて、ある日突然涙が出なくなった。 怒られても何も感じなくなった。 心が死んでしまったんだと子供ながらに思った。 お世辞にも幸せとは言えないこの日常がずっと続くんだと思っていた。 でも突然私の機械的な日常は壊された。
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