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「で、“カミ”が必要な事態に陥ったのか?」
「上からの情報なんだけど」
かえでが宙に“カミ”を浮かせる。
一時的ではなく、持続的に宙に浮かばせる。
「“血筋”が確認されたそうよ」
「‥とうとうか」
俺は何となく予期していたので、一つ大きなため息をついた。
「“血筋”の内容は―――――」
┣━━━━━━━━━━━━┫
「はぁ‥‥‥はぁ」
学校から南へ五キロ、途中まではバスで来たけど最後は歩きだ。
ここらへんは学校の北側の新市街の逆にあたる旧市街。
そのせいで僕が歩いている一本道の左右は森で覆いつくされていて、暗い。
ふと鞄の中から携帯を取り出す、時間の確認の為だ。
初期の真っ白な待ち受け写真の下にデフォルトの時間が表示されている。
時間は16:56と表示されていた。
約束の時間は17:10、約束の場所へは後十分程で着くが、やっぱりギリギリだった。
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