第一章、邂逅

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 僕はその道を歩き続けた。 鞄の中にはバス停近くのスーパーで買ってきた食べ物等の日常品が入っている。 森が開けてきた、あともう少しだ。 夕焼けに染まった世界の中で、ぽつんと浮かんでいる瓦屋根の二階建ての家。 おばあちゃんの家だ。  僕は一目散におばあちゃんの家の戸を掴んで、横にスライドさせる。 がらがらがら、という音と共に戸を開けた。 「おばあちゃん!」  僕は目の前に広がる暗闇に向かって怒鳴ると、朧げに暗闇に浮かんでいた扉が開かれた。
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