第一章、邂逅

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「ホッホッホ、入っておいで」  半年ぶりに聞くおばあちゃんの声は相変わらずのしゃがれ声だ。  僕は靴をきちんと揃えて、歩きだした。 おばあちゃんの家はわりと不思議な構造となっている。 居間まで10メートル程の板張りの廊下には隣接する部屋が無く、文字通りの一本道で、居間に入ると一番奥に階段があって、7つの扉がある。 東西南北、方角通りに扉があるということだ。 部屋の中央には3人掛けのソファーが2つとその大きさにあった机があり、おばあちゃんは僕から見て左側のソファーに座っていた。 「おや、まぁ‥大きくなって!」  お決まりの台詞である。
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