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「でさ‥‥僕は、いつ解放されるの?」
僕は彼女の後ろに乱雑に床に落ちている僕の制服と、今、僕が着ている女子用の制服‥いわゆるセーラー服を交互に見ながら呟く。
「あら‥私が貴方を明るい時に帰した事があった?」
「‥ないかなぁ」
僕は再度ため息をついた。
「これもビジネスなのよ‥分かって?」
彼女が言うビジネスとは僕に女装させ、それを写真に撮っては売り、撮っては売る。
最初は校内の生徒のみだったが、留まる筈も無く、今では市内全体の学校に回っているとか。幸い、僕の名前までは回っていない。
「‥肖像権の侵害だよぉ」
「ん? あぁ、名前付きで回して欲しい?」
「全力で前言撤回させて頂きます」
「よろしい」
彼女は満足げにそう言うと、紅茶を飲み干した。
不意にがちゃ、っと言う音と共にドアノブが回転し、木製の扉がぎぃぃ、と開いた。
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