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「あっ! しまった‥‥今日は」
僕は床に脱ぎ捨ててあった制服をセーラー服の上に着て、スカートの下からズボンを穿いてスカートを外し、扉を開け、廊下に出る。
「カンナ! 忘れ物だ!」
後ろを振り向くのと、日高が僕に鞄を投げるのはほぼ同時だった。
「サンキュー!」
僕は日高に礼を言うと脱兎の如く駆け出した。
約束の時間に間に合うか?
否、間に合わせる。
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「全く‥金のなる木が」
「んな事言うな、あいつにとって今日は大事な日なんだから」
そっぽを向きながら口をすぼめて言うかえで、それに対して俺は肩を竦めて、諭すように言った。
「写真より大事な用?」
「カンナにとっては、な」
「‥‥分かったわよ」
かえでは、これ以上は聞きたくないのか右手で俺がさっき投げ渡した“カミ”をいじっている。
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