朝と夜

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急く気持ちを抑えながら、待ち合わせ場所に到着するとご主人様は既に待っていた。 私の姿を確認すると、彼は少し微笑んで言った。 「急ぐ事なかったのに。慌てて来たでしょ?」 何もかも見透かされるような感覚に顔が熱くなった。 「そんな事ないです。ただ待たせちゃったら悪いと思って…。」 ご主人様の顔を見続ける事が何となくできなくて、俯きがちに言う。 「そんなに気を使わなくて大丈夫だよ。それじゃぁ行こうか…。っと…その前に連れて行きたい所があるんだけど、良いかな?」 「いいですよ。行きましょう。」 「じゃぁ行こう。」という彼について行きながら、どこに行くのだろう?と疑問に思っていた。 どこに行くのか聞いても、彼は「行けば分かるから」としか言ってくれなかった。
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