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「私…自分がこんな恰好で男性と食事をするなんて考えた事も無かったです…。それに、綺麗だって褒められた事も無かったし…。」
可愛いらしく盛られたデザートを前にご主人様に話す。
「それはたまたま、君にそういう事を想像させるような相手に君が出会わなかっただけだよ。どう?初めての経験は?」
「最初は恥ずかしかったけど…この恰好に慣れてくると…嬉しい、です。」
私が嬉しいと告げると、ご主人様も嬉しそうに笑ってくれた。
その事がすごく嬉しくて、ご主人様の喜ぶ顔がもっと見たいと思った。
デザートを食べ終えて、私が少し席を離れている間にご主人様は食事の料金を払ってしまっていた。
お店を出ながら、せめて食事代は出させて欲しいとお願いしたけれど、ご主人様は許して下さらなかった。
ご主人様がよく行くバーがあるらしく、そこに行こうと誘われた。
「これ以上、お金を支払って貰うのは申し訳ないです…。次のお店では全額…せめて半額は支払わせて下さい!じゃないと嫌です!」
鼻息荒く言い切ると、ご主人様は初めて私に対して折れてくれた。
やれやれといった苦笑いを浮かべていたけど…。
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