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「君は黒や白の服を着る事が多いね。仕事の関係?」
その時の私は黒の太めのパンツに銀ストライプの入った白いシャツを着ていた。
「いえ。エステの仕事してるんですけど、その時は制服ありますから。ただ黒とか白って無難な気がして、つい選んじゃうんですよ。」
苦笑しながら答える。
「せっかくスタイル良いんだし、可愛いんだからもっと可愛い色の服着てみたら良いのに。」
「可愛い!?私が!?そんな事言っても何も出ないよ!?」
思わず素っ頓狂な声をあげる私に彼は当たり前だと言わんばかりの表情で言った。
「何で?可愛いよ。スタイルだってバランスが整ってて綺麗だよ。」
そんな事を言われたのは初めてだった。
「バランス??私、背低いよ?ヒールに騙されてない?」
「そういう問題じゃないよ。それにそんなのに騙されたりしません。」
そこまで会話した時、電車が到着した。
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