事の始まり

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「私が好きな人と結婚したって………この国の為になりはしないわ」 「えっ、好きな人がいるんですか?」 青年―カルの無神経な言葉に、イルファーナはムッとして立ち上がる。 「……………王女様?」 「帰るわよ、カル」 スッと歩きだす王女を追い掛ける為に、広げられたお茶のセットを片付け、足早についていく。 「何か怒ってます?」 「うるさいわね。何でもないの!」 何かを言えば言うほど、王女の怒りを買うらしい。 カルは黙ってついていくことにした。
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