事の始まり

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王女の問題発言から一週間。 何もない日々が過ぎていた。 一通の手紙が届くまでは―――――。 「フォーレンから………手紙?」 イルファーナと第一王女エリザ宛ての手紙。 国王たる父に呼ばれ、二人は戸惑いの表情をした。 今までこういうやり取りをすることがないわけではなかったが、祖母が亡くなった十年前からはパタリと無くなったのだ。 何故今になって………。 「何が書いてあるんですか?」 「二人の王女をこの次の舞踏会に誘いたいと……」 イルファーナは怪訝な表情をする。 それこそ、今になって………である。 「お祖母様が生きていらした頃ならわかりますが………」 祖母が生きていた頃は、季節の替わりめには挨拶の手紙がきたし、誰か王族の誕生パーティーなどには必ず招待状が届いた。 小さい頃はイルファーナもよくフォーレンに行ったものだ。 「第一王子を覚えているかい?」 父の言葉に思いだそうとするが、イルファーナには心あたりがない。 確か自分より五つぐらい離れていたはずだが…………。
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