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その背に――――――イルファーナは左手の中指を立て………
「一昨日きやがれ」
――――王女らしからぬ言葉を口にする。
幸いにして、その場には誰もいなかった。
「…………はぁ」
イルファーナはため息をつき、自分の姿を見る。
せっかく亡き祖母のドレスをアレンジしてきたのに、水で台なしだ。
「綺麗な水……だったみたいだから、シミにはならないと思うけど………」
このままパーティーに参加、というわけにはいかない。
「……………ったく、何でこういうことに………」
現在、彼女がいるのは自国ではなく、隣の大国フォーレンに来ていた。
時間を遡ること一ヶ月前―――――。
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