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この世の混沌を象徴するかのように雨は降り続いていた…
立ち並ぶ倒壊した建物
地を埋め尽くす瓦礫に土砂
街の燭は弱々しく、消えかけたロウソクを並べたみたいだった
例えるならば
海に沈んだ都市のようで、神秘と狂喜を彷彿とさせている
空を覆うどす黒い雲は、この街の終焉を告げているようにしか思えない
しかし、
やがてその黒い雲が流れ行くと、そこにこの世界には似つかわしくない、凛とし明々とした光が姿を現した
この世界を生き抜いている、大手企業ビルの一室の明かりだ
しかし、そのビルの光が灯っているのも…
今日が最後だ
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