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ここはその企業ビルの一室
アンティーク調の重厚な両開きの扉は、ここで執務をする人間の地位を十分に理解させる
しかし一度扉から目を離し、辺りを見渡して見れば、富と地位のある人間が、つい先程までこの部屋で執務をしていたなんてことは、到底見る影もなかった
書類は床に散乱し、高そうな壷は床に落ち粉々に砕け、名のある絵画が飾られていたであろう額縁は、その中身をカラにしている
部屋の中は荒れ放題に荒れており、そしてその背景がよく似合う二人の男が、ここぞとばかりに蠢めいていた
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