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side"俺"
苛立ちを抑え切れないまま,俺はひたすら考えた。
――何が起こっているのか…?
ここが学校であることは何となくだが分かる。しかし見知らぬ学校なのか、それとも俺が通い慣れた学校なのか、それすら分からない。
何か思い出せるはずだと必死に頭を回転させる。けれど、まるでテストで突然に公式を度忘れしてしまったときのように、記憶には大きな穴が空いたままだった。
苛立ちの次に襲い来るのは、極端なまでの焦りと不安、恐怖。
俺は頭がおかしくなってしまったのだろうか?
夢や幻覚をみているのだろうか?
世界にはあまりに現実味が無さ過ぎる――
その時、背後から足音が聞こえた。
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