scene 1

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  side"私"    それは、皮肉な程に清々しい朝。   重い瞼を開いて一番はじめに視界を覆ったのは、破りたくなるほどの真っ青な空。   そしていつものように再び眠りに墜ちそうになる。   けれども咄嗟に異常を感じてもう一度目を開けた。   あまりに空が青過ぎて、距離感さえ無い。まるで手を伸ばせば届きそう―…     しばらくそんな空を呆っと見ていた。しだいに覚醒していく意識。   ここは何処――…?     起き上がるのが怖かった。空はこんなにも綺麗だけど、周りは目を覆いたくなるような悲惨な光景な気がしたのだ。   それでも恐る恐る体を起こす。   目の前に広がったのは――   灰色のコンクリートと錆びたフェンス。そしてその向こう側には雑然とした街を見下ろす景色。   ここは――   「屋上…?」   自分の体を見た。 白に紺のセーラー服… ところどころ、泥のような汚れがついている。   手や足、顔以外の自分の体を見回した。 当たり前だがただの肌色。 ところどころかすり傷はあるが、大きな怪我はない。   何してたんだろう―…     そのときはまだ、その程度の疑問。 きっと授業をサボって昼寝でもしていたのだろう。   フェンス越しにかなり遠くまで街が一望できる。 ところ狭しと家やビルが建ち並んでいた。   やけに静かだ。    
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