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side"俺"
腰が痛くて目が覚めた。
手を触れると、固い床。
「なんだ…?」
多少の苛立ち。上半身を起こすと、俺は大きな机の下で眠っていたことに気付く。
なんでこんなところで―…
少し目眩がしつつも机の下から這い出て、立ち上がった。白々しい蛍光灯の光と窓から入る眩しい程の陽射しが混ざり合っている。
あたりを見回す。
水道、薬品、白衣、試験管。
実験室―…?
周りには俺以外誰もいないようだ。妙に警戒しながら俺はゆっくり歩いて部屋の中を一周した。何も変わったことは無い。ただの研究室か実験室だ。
部屋から出よう。
まだ眠気が覚めきっていない頭で呆然とそう思った。
引き戸に手をかける――意外とすんなり開いた。
部屋から出ると、そこは長い廊下。
ドアには"化学実験室"と書かれたプレート。
ここは……学校?
見ると俺は制服を着ていた。
どうやら本当に学校らしい。
しかしここから把握できる限り、どの教室でも授業などされていなかった。人の気配はなく、物音ひとつしないのだ。
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