scene 1

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  side"私"     屋上からの景色を眺めながら、微かな焦りと胸騒ぎを感じた。   怖い……   根拠の無い、ただ漠然とした恐怖。   とにかく此所から出よう。   空しく広がる屋上を反対側へと横切る。 鉄の扉は重々しく立ちはだかっていたが、幸い鍵はかかっていなかった。   中には、暗い階段が続いている。   深呼吸を一つして、恐る恐る降りた。   しかしやけにがらんとしている。   廊下に出た。 長い廊下には誰もいない―…   途方に暮れ、ただ歩く。   此所は私の通っている学校なのだろうか…? 親しみを感じられなかった。校舎にも、教室にも。   ふと気になって胸元のポケットを探る。   何も入っていない。   生徒手帳があれば良いと期待したのに。   更には、制服には名札すらついていなかった。     自分の鼓動の音が響く。     自分が思い出せない――…      
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