scene 1

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  side"私"     此所がどこだか分からない。 勿論、学校だということは分かるが…。 自分が通っている学校なのか? そもそも"自分"が分からない…。   名前も、過去も。       ゴーーーン……     地の底から響くような音。建物が微かに揺れる。   「……?」   驚いて私はあたりを見回す。やはり誰一人いなかった。   今の音は… まだ何処かに、"動くモノ"があるということだろう。 少しだけ、期待を抱いた。   とにかく下に降りよう。 まだ誰かいるかもしれない。   薄暗い階段を下る。私の革靴の足音が、溢れた沈黙を裂いていく。鼓動はどんどん速くなる――  
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