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シエルside
「…シエル」
ふと心地良い声が耳に届く。
名前を呼んだ人を振り向くと、そこにはお城で仕事をしているはずの兄、ラウルがいた。
僕と同じ金髪をなびかせ、微笑んでいる。
「兄さん!」
仕事で忙しいはずの兄さんが、わざわざ会いに来てくれた…!
僕は嬉しさのあまり駆け寄って抱き付いた。僕は、悲しい事に頭一個分小さいから、抱き付けば必然的に顔が兄さんの胸に来る。
「仕事は終わったの?」
疲れているだろうに、それでもふわりと優しく抱きとめてくれる兄さんが僕は好きだった。
「いや、まだだよ。」
…じゃあ何でここに?
「実はシエルに任務が来てね…。」
僕に…任務…?!!
…僕、まだ天使としては半人前なのに、大天使様達は何をお考えなのだろう……。
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