10人が本棚に入れています
本棚に追加
「さぁ、シエル。城へ向かおう。私も詳しい話は聞いてないんだ。」
「兄さんもまだ聞いてないの?」
シエルは驚いたように瑠璃色の目を見開く。
「ああ、だから気になってね。」
…―本音を言えば、シエルが心配だった。
まだ天使として半人前、それにこんな美少年を誰も放っとかない。
そんな我が弟を心配するなと言う方が、到底無理な話だ。
「…さぁ行こう。」
そう言って、シエルの白く柔らかな手を取り、純白の翼を羽ばたかせながら、城まで向かった。
.
最初のコメントを投稿しよう!