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シエルがラウルの背後から覗き見れば、警護中の守護天使の後ろから、銀の長髪にメガネを掛けた天使が現れた。
その銀髪の人の合図で、守護天使は直ぐに後ろに下がる。
全てを見透かすような眼で、シエルとラウルを見つめると口を開く。
「失礼しましたね。私は大天使の一人、グレイと申します。」
グレイと紹介した男は、ニッコリ微笑んでお辞儀をして来る。
「こちらこそ、わざわざすいませんでしたグレイ殿。私は…」
「守護天使第二番隊隊長ラウル殿ですね。いつもご苦労様です。」
「!…御存知でしたか。」
守護天使第二番隊隊長と言えど、それほど有名と言う訳ではない。
だが、グレイは神秘の天使と言われ、世界の全てを知ると言われている。
グレイは次に、ラウルの後ろに隠れているシエルに目を向けた。
「君はシエル殿ですね。ラウル殿の弟君の…。君に話があります。お二方、案内しますので私に付いて来て下さい。」
そう言うと、きびすを返して扉の中に入ってゆく。
慌てて、シエルもラウルも後を追う。
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