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砂漠の花トリエット
「ふ~ん。神子に世界再生の旅ね~。」
砂漠を歩きながらコウメイは物珍しそうに言う。
「ふ~んって、本当に何も思い出せないのか?」
ロイドは困ったようにコウメイの発言に言葉を返す。
「いや、本当に思い出せないんだって。」
今度はコウメイがロイドの発言に言葉を返す。
「……ただ。」
「?」
「忘れてはいけないものを忘れてしまった気がするんだ……。」
コウメイはどこか悲しそうに笑いながらそう言った。
「でもさ、くよくよしたって仕方がないだろ?」
さっきとは違う希望にみちあふれた笑顔でコウメイは言う。
「強いんだね……。」
ジーニアスがそうつぶやく。
「いいや。そんなことないさ。」
コウメイは笑顔でそう答える。
「でもさ、本当に強く想っているものは、簡単には消えないもんさ。」
コウメイは静かに、しかし力強くそう答えた。
「それはそうと、あれって町じゃないか?」
コウメイはそう言い前方を指差す。
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