騎士か小姑か

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      このクラスになって、3ヶ月が経った。   気付けばもう衣替えの時期で、夏に近付く日差しに負けないくらい、薄着になった女子が眩しいと思う俺を変態染みていると言うならば、それは否定はできない。   つーか男なんて大概こんなものだろう。   そんなことを考えつつ、窓際に寄り掛かりながらポケットに入っていたiPodを取り出した。       「何聴いてるの?」       イヤホン越しに聞こえたのは、最近よく聞くようになった声だった。   俺は問い掛けた主を軽く見やり応える。       「iPodの曲探す時のカリカリ音」   「え。その音好きなの?」   「…割と」   「私もなんだけど!」       意外や意外。   自分でも少し変わってるかも知れないと感じていた趣向に同調すると、あゆちゃんは感激して嬉しそうに間合いを詰めた。   俺の隣で同じように窓際に寄り掛かると、iPodを見せて欲しいとせがまれ、流れ的にイヤホンも片方ずつ共有した。       「わー。洋楽ばっかり。あ、この曲知ってる」   「…よくこんなマイナーなの知ってるね」   「お兄ちゃんが好きだからね」  
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