GIRL×GIRL？番外編

導かれた先は

「輝と薫って何気に名前の響き似てるよね。コンビみたい」

昼休み中。

お気に入りの紅茶パックに刺さったストローをくわえながら、あゆは言った。

…何て恐ろしいことを言うのだろう。

あゆは照れ屋で自分の感情を伝えるのが得意じゃないけれど、たまにこうして突拍子もないことを口走るのは、少し天然も入っているのかも知れない。

「コンビって…」

「そう。何かひかちゃんかおちゃん、みたいな」　

「何。その売れないキャラクターみたいなネーミング」

「兄妹ぽくていいじゃん！二人とも華やかな雰囲気とか口調とか似てるしさ」

…このコ、私を打ちのめしたいのかしら？

輝ちゃんなんかと兄妹ぽいとか似てるとか、この上ない屈辱だわ。

こんな嘘つきで適当な馬鹿とひとくくりにされるなんて、本当だったら制裁を加えてるところだけど、相手があゆだから仕方ない。