導かれた先は

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      昔から、私は率先して学級委員になるようなタイプだった。   成績も良かったし、何でもそつなくこなして、周りからの信頼もあった。   その上内申も上がるし、人を統率する立場に、プライドの高かった私の優越感は満たされていた。   だけど多感な時期ともなれば、みんな少しずつ理解していく。   自分たちは、バカにされていたのだと。   誰かが言い出すとあっという間に感染していき、元々当たり障りない付き合いしかしてなかった私の回りには、誰もいなくなった。   というか、最初から誰もいなかったんだ。       ――私は独りになった。       陰口を言われたり、無視されたりしながら学校に行くのは苦痛だったけど、そんなところでもプライドは発揮されて、弱い立場に立たされた自分を認めたくない一心で、どうにか通い続けていた。       ―そんなある日、ジャージが盗まれた。   気付いたのは部活直前の放課後で、大体の犯人は分かっていたけど、証拠はない。   何よりこんな風に嫌がらせをされる自分が悲しくて、情けなかった。   悔しくて、悔しくて、涙がじわじわと溢れてくる。   今度こそ、プライドがへし折られた瞬間だった。
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