806人が本棚に入れています
本棚に追加
「シゲ、シゲ」
「そんなに呼ばれなくても聞こえます」
「シゲ、シゲ、」
「山下君?」
こんな風に誰かに執着して、縋ったのは初めてだった
シゲが小山といるのが気に入らなかった
それを楽しそうに話すシゲも嫌だった
こんな気持ちなんていうかなんて、子供じゃないんだ、知っている
「嫉妬、したよ」
「小山に、小山に嫉妬した」
そうシゲの目を真っ直ぐ見詰めれば、彼の瞳はグラグラと揺れていた
その揺らめきはは溜まった涙と一緒に流れていく
最初のコメントを投稿しよう!