四章

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軽い足取りで階段を上っていき、屋上へと向かう ガチャッ ドアを開けた瞬間、生温い風が頬を通りぬけた もう、7月 風が生温いのも無理はない 羅雪は日陰を求めて歩き、ちょうど影と重なるフェンスに寄りかかりながらズルズルと座った さっ!妄想を始めるか!! 今日、決行する、総長×総長の絡むシーンを頭の中に浮かべようと顔をニヤけさせていると、不意に屋上のドアがガチャリと音を立てて開いた 「「……」」 いやもう、驚きすぎて言葉が出てこなかったよ; だってまだ、7時40分ぐらいだよ!? 何でこんな早くに学校にいるんだよ…!! つか、せっかく妄想をしようとしてたのに邪魔しやがって!! 「何でここに来るんですか。会長サン。」 そう、俺の妄想の邪魔をしたのは、現生徒会長の…… うん、生徒会長 …すみません、名前忘れました あれ?前にもこんなことなかったっけ? …まぁ、いっか← 「俺が来たらマズいことでもあるのか?」 愉しそうな会長サンの物言いに、羅雪の眉間に皺が寄った うわっ!!こいつ今、鼻で笑いやがらなかった!!? む・か・つ・くーっ(怒)!!!!! 「別にーっ」 サッと腕を後手に組み、フェンスに背中を預けながら口を尖らせて顔を背けると、会長サンは不思議そうに眉を顰(ヒソ)めた .
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