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記憶に眠る伝説
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『こんにちはっ!!初めまして!』
青い髪をした、どう見てもまだ六、七歳の男の子が
何か嬉しい事でもあったかのようにニコニコしながら城の門前に突っ立っていた
衛兵は邪険にするわけにもいかず、困った顔をして他の者に助けを求めに城内へ入った
すると―――
レイヴン『子供?』
その様を偶然発見したレイヴンが、門前へと歩く
レイヴン『確かに・・・子供だな。どっからどう見ても・・・』
『あのっ!』
レイヴン『?』
『僕・・・・フォルって言いますっ!今日は、お父さんに会いに来ました!』
レイヴンは一瞬で理解した
この子供は間違いなく、ニグィの息子だと
しかしどう伝えればいいのか
『お前のお父さんは、こないだ死んだ』
言えるはずがない
満面の笑みでこっちを見る子供
その子供の一生さえ左右しかねない一言
レイヴンは言葉を選びに選んだ
しかし思い付かない・・・
すると後ろから、レインバレルが現れた
レインバレル『・・・フォルって言うんだな?』
フォルは力強く頷く
レインバレル『・・・よく訊いてくれ、フォル。お前のお父さんは・・・死んだ』
フォル『・・・・・・・・・
え・・・・・・・!?』
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