世界が変わった日

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「ふぅん・・・」 少年はすぅ・・・と目を細めた。 そして男子生徒の腕をぐっと掴んだ。 「・・・え??」 「ありがとよ」 少年はいきなり男子生徒を校舎の壁に投げつけた。 ダァン! と壁に叩きつけられた生徒はずる、と地面に倒れ込んだ。 「じゃあ自分で探すかァ。使えねぇヤツだなァ。」 傍観していた生徒たちは起こった事実に対して脳の処理が追いつかなかった。 そして恐怖が体中に広がったのは少年が移動し始めた時だった。 「う、うわぁああ!」 「離れろ!」 「早く!早く!」 「せっ、先生呼んでこい!」 パニックは人垣でよく見えなかった生徒たちにも広がり、門に生徒が群がった。 「は?は!?何!?」 「何にも見えなかったぞ?」 「・・・部外者が誰かを壁に投げつけたんだ」 「は?何で?・・・喧嘩か!?」 パッと陣は顔を輝かせた。 「・・・いや、多分違うし、喧嘩好きな陣が行ったら話がややこしくなるから駄目」 と、そのとき。 「うるさいなァ。」 と眉をしかめた少年は怠そうに指をパチン、と鳴らした。 全員の動きがピタリと止まった。 「え?な、何で・・・!?」 「う、動けねえ・・・!!」 「・・・」 律は体の動かせる所を探したが、指一本動かせず、何とか首から上だけ動かした。 「なんなの~??」 「もうヤダぁ~!?」 「てめぇ!何しやがった!」 「おかあさーん・・・!!」 生徒たちは泣き叫び、怒り狂った。 校舎から飛び出してきた先生たちも固まっている。 「よぉし。これでまあマシになったかなァ」 ニヤリ、と背筋を撫でられたかのような笑顔を浮かべる。 「『ルナティアス』!!」 少年が怒鳴る。 生徒たちはぴたりと口を閉じた。 「いるのはわかってんだァ。出てこい。」 少年はふわっと宙に浮いた。 「!」 「は、あ!?」 「・・・浮いた」 「『ルナティアス』、オレが会いに来たのに出て来ないつもりかよォ?」 少年はキョロキョロと辺りを見回すが名乗り出てくる人影は見つからない。 「・・・そォか。んじゃあ引きずり出してやるよ・・・」 少年はすっと着地すると近くにいた男子生徒を空高く投げた。 「う、わぁぁああ・・・!」 ドサッと4、5メートルの高さから地面に落ちた男子生徒は呻き声をあげる。 「次だ。」 少年は女子生徒の頭を掴みギリギリと締め上げる。 「あ゙っあぁあ゙ぁ゙あ!」 激痛に気絶した女子生徒をそのまま地面に転がした。 周りの生徒たちは恐怖で震え上がる。
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