世界が変わった日

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ディアはまた、ニヤリと笑った。 「・・・アイツ等にバレると、マズいからかァ?」 「!!な、何で・・・!」 バッと瑠奈は顔をあげる。 「はッ、図星かよ!お前バカか!?何今さら隠そうとしてんだよ!」 「・・・」 瑠奈は唇を噛みしめる。 「元に戻れよォ。もうお前の居場所はここじゃない」 「・・・!!」 瑠奈は辺りを見回した。 生徒たちはまるで化け物を見るかのような目で瑠奈と、ディアを見る。 「・・・!」 「瑠奈・・・」 瑠奈は陣と律を見た。 二人は心配そうな顔で、瑠奈を見つめていた。 「・・・ふふ。・・・私は、陣と律がいてくれるなら、他なんてどうでもいい・・・」 そう、2人が私を、「瑠奈」を信じていてくれるなら。 と、その時。 空からキラリと光る物が瑠奈の下に落ちてきた。 ぱしっ。 瑠奈はそれを手にとり、弱々しく笑う。 落ちてきたのは雫型にカットされたクリスタルのようなものだった。 そしてディアを睨みつける。 「アナタのために戻るんじゃない。勘違いしないで」 瑠奈は陣たちに振り返った。 「・・・ばいばい」 「瑠奈・・・?」 瑠奈はギュッとクリスタルを握りしめる。 「・・・《封印されし我が力、真の姿よ。今ここに解き放ち、その全てを示せ》!」 カッ! 光の柱が瑠奈を包む。 光に飲み込まれる瞬間、陣と律は瑠奈がこっちを見て一筋の涙を流したようにみえた。
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