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「あーあ。またか」
「またリンちゃんに怒られるなぁ・・・」
「・・・ほら、急いで集めろ。由良先生のとこ行くぞ」
ガサガサと手紙を集め、三人は保健室へ向かう。
手紙を持って教室に行くには大量すぎるのである。なので保健室の由良姫子(ゆらひめこ)教諭に預かって貰うのである。
「姫ちゃあ~ん」
保健室のドアをコンコンとノックしながら中に声をかけると
「はいよ~」
と気の抜けた返事が返ってきたので三人は中へと足を踏み入れた。
「お、遅刻だぞ。つーか今朝はまた随分と大量だなぁ。」
"姫"の名前とは裏腹に黒髪ショートカットの黒眼黒縁メガネの女性が白衣を羽織りダルそうに椅子に腰掛けていた。
タバコをしっかり持って。
「あ、タバコ!いーけないんだ!」
「先生に言いつけてやらなきゃ!」
「バカたれ。あたしがその先生様だよ」
「日本の教育はここまで腐ってたのね・・・」
「ほーう。瑠奈言うねぇ。アンタもう保健室で休ませないからね。」
「ぎゃっ!姫ちゃんごめん~!」
「フンッバカめ。換気扇回してるから大丈夫なんだよ。んで手紙だろ?その辺の段ボールに入れときな」
「・・・いつもスイマセン」
「律は真面目だねぇ。バカな二人とは大違いだよ」
「バカってひでぇな姫ちゃん!」
「いーから早く入れな!本鈴鳴るよ!」
三人は急いで詰め込んだ。
「じゃっ、姫ちゃん!」
「もう本鈴鳴るぞ、急げ!」
「・・・じゃあ、失礼しました」
ドアがぱたん、と閉まり三人が走る音が遠くなっていった。
「本当に仲良しだねぇ」
姫子はくすっと笑った。
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