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-ねぇ…!
---ねぇ…!
「ねぇ!聞いてんの!?
あんたに言ってんだよ!」
「………」
「あんた、
自分の立場わかってんの?」
「そうよ!あんたなんか… あんたなんか!!」
バンッ…!
夏実があたしの頭の
スレスレをパンチした。
ドオォォン……!
後ろのトイレの個室の壁がうなりをあげた。
「……っ」
「あんたなんか、
九条様が優しいからって、調子にのってんじゃ
ないわよ!
溌音様は皆のものなのよ! わかる?」
……九条様…?
……皆のもの?
立場?
本当……意味わかんない。
九条様って……
ああ、
『九条…(くじょう)』
なんとかっていう……。
朝なんか話かけてきて
本当に嫌なヤツ……
確かあの時ー……。
『なぁ…』
『!?……なに…。』
なんで話かけんのよ…
『あんた、………』
『は?』
なに?
さっさと言ってよ…
『いい。やっぱ…なんでもねぇよ…』
『何よ。…いいなさいよ……!』
自分から話かけといてなんなのよこいつ……!
『いいよ…別に…
たいした用事じゃないし…しかも怒ってんぢゃ余計言いたくねぇし…』
『いいなさいよ…!
あんたが言ってきたんじゃない!
それに、
怒ってなんかないわよ!』
ガタンッ!
なにこいつ!💢あんたが
怒らせたんじゃない!
『…いいつってんだろ……てか、まぢ目立ってんだけど。』
『!!』
あたしは
勢いあまり
授業中にもかかわらず
隣のせきに向かって立っていた。
クスクスクス…
周りの人が笑うなか
数学の先生が言う
「七瀬…そんなに九条と
ラブトークしてたいのか?ん?」
ブハッ!
アッハッハ!
ザワザワザワ…
クラスの皆が一斉に
騒ぎだした。
『なっ!違いますっ!!』
ガタンッ
あたしは
怒りと恥ずかしさのあまり勢いよくイスに腰をおろした。
そして
あたしは隣のヤツをチラリと見た。
あんたのせいで
あたしがどれだけ!!💢
あいつは、あたしと目があうと、
「フン…」
と鼻で笑ってみせた。
💢!
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