九条 力也

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次の時間の授業は 理科だった。 私は黒板に書いてある文字を ノートへと写していた。 そのとき つい消しゴムが ひじにあたり 床に落ちてしまった。 そして消しゴムは バウンドを繰り返し 隣の席の反対方向まで 弾んでいってしまった。 普通ならここで 隣の席の人に 「消しゴム落ちちゃったんだけど 取ってくれない?」  などと言うのだろうが、花絵流にはそれは 普通じゃないのだ。 別に朝のことが あったから話すのが 気まずいとか そういうわけではない ただたんに敵だからー…。 花絵流は 消しゴムをとろうと 手を伸ばそうとした。 その時ー…。 カタン……。 コト…。 「 えっ……!」
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